手取り23万円と月300時間労働の突っ込みどころ。残業代で稼ぐのは幻想です。

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竜桜
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次の画像を見てください。

これは、 Twitterで半ばフリー素材と化しているもの。

手取り23万。この画像にはないですが、この男性は月300時間の労働をしているようです。

この画像だけで手取り23万円という言葉だけが独り歩きしていますが、いろいろと突っ込みどころや背景が多く、よく考えなければなりません。

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過労死ラインを超えた残業

まずここに気づけないとかなりワーカーホリックに毒されています。
簡単な算数なのですが、所定内労働時間は普通月に176時間(8時間×22日/月)です。

竜桜
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もうお分かりかと思いますが、月300時間の労働は残業120時間を超え、過労死ライン(100時間/月)を大幅に超過した労働です。

月120時間の残業、これに関してどんな生活かといいますと、生涯の40%の時間を会社に捧げるという生活になります。
参考までに、所定内労働であれば生涯の25%となります。

過労死ラインを超える労働はどんな環境になるのか?

次の2つのモデルケースで説明します。

年間休日0日、つまり365日間毎日働く場合、朝9時に出勤して退社できるのは夜8時頃です。
これだけだと耐えられるように見えますが、このケースでは休日が一切ありません。休む日もないわけです。

よくありがちな年間休日120日程度で想定します。この場合、朝9時に出勤して退社できるのは日付が変わったころです。

竜桜
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恐ろしいことに、この計算には通勤時間を含んでいません。

完全週休2日制だったとしても、労働のある日は会社に束縛されない時間が8時間程度しかありません。
この8時間で家事、通勤、睡眠をこなさなければならないという生活になります。

保険・年金とは?

いわゆる個人年金や保険でしょう。老後までに2000万円貯めなければならないという情報も流れているわけで、資産形成を試みたのかもしれません。
天引き後の手取りということから、厚生年金とは別に用意したものとみられます。

携帯・通信費

格安SIMを使えば月2000円程度で済む!と言っている人がいますが、ある重要な観点が抜け落ちています。

竜桜
竜桜

Wi-Fiはどうするんですか?

固定回線がない場合、すべての通信をLTEで済ませなければならないため通信量が激増します。
したがって、実際には携帯電話の料金に加え、光回線やADSLといった固定回線の料金も発生します。
もっとも、これに関しては考えれば半分(月1万円)くらいには圧縮できそうですが、過労死ラインを超える残業をしている人がそこまで考えられるはずもありません。

追記。書き忘れていましたが携帯電話端末の分割払いがある場合もあります。
大手キャリアでも端末代金の割引はほぼ皆無となってしまったため、実質的に端末代金を全額負担するような風潮になっています。

平日の食事はおにぎり2つ…?

ちょっと誇張しすぎな気はしますが、それでも自炊ができないというのはもう分かるはずです。
朝早く出勤し、帰ってこれるのは日付が変わる頃。こんな生活をしていては自炊などできる余裕があるはずがありません。

竜桜
竜桜

結果として、コンビニや外食に頼ることになります。

時間がないですから、自分で作ることはままなりません。

サラリーマンは時間単価が給料に響きやすい

これはかなり重要であり、時間を捧げて給料をもらうサラリーマンにとっては給与計算の根幹となるものです。
月給制の正社員であっても、結局時間を捧げて給料をもらうということに変わりはないのでアルバイトやパートと同一の賃金体系とみなします。

竜桜
竜桜

基本給低いなあ、そうだ、残業代で稼ごう!

という思考になるかもしれませんが、基本給が低い場合はやめるべきです。

時間単価の概念

給与所得者である限り、時間を会社に捧げて給料をもらうことになります(※裁量労働制は除く)。
したがって、サラリーマンである以上は必ず次の式で給料が決まります。

竜桜
竜桜

時間単価 × 労働時間 = 給料 です。

このうち、労働時間を増やして給料を増やそうと試みるのが残業です。
確かに給料は増えますが、掛けられる数である時間単価が低い場合、いくら残業しても給料が思った以上に伸びません。
基本給が最低賃金レベルにもかかわらず、過労死ラインまで残業させられるようであれば今すぐ転職するべきかもしれません。

逆に、ある程度基本給が高ければ残業代も比例して高くなるため、残業により稼ぐことも多少は現実的になってきます。
ただし、体を壊すような場合は逃げるべきです。過労死しては元も子もありません。

重要:東京で最低賃金で毎月過労死ラインまで残業しても平均年収には届かない

竜桜
竜桜

これが日本の現実ではあるのですが。

最低賃金が最も高い東京で、過労死ラインまで毎月残業しても平均年収には到達できません。
したがって、基本給が低いのに残業をたくさんしてもほとんど稼げません。

計算の根拠

所定労働時間を176時間/月とします。月60時間までの所定外労働は25%割増、月60時間を超える所定外労働は50%割増とします。また、休日出勤や深夜勤務(22時~翌5時)はないものとします。

最低賃金は、東京都の新しい最低賃金である時給1013円を採用します。

この場合、最低賃金で過労死ラインまで残業すると次のような計算になります。

基本給: 1013円 × 176時間 = 17万8288円
60時間までの残業: 1266.25円 × 60時間 = 7万5975円
60時間を超える残業: 1519.5円 × 40時間 = 6万780円

したがって、東京都で過労死ラインまで働いた場合の最低賃金は月給31万5043円です。

最低賃金ということはボーナスが出るはずなどありません。したがって、この過労死ラインまでの労働を12か月連続で続けた場合、年収は378万516円です。

竜桜
竜桜

最低賃金で過労死ラインまで働いても、年収400万円にすら届きません。

日本の平均年収は2019年時点で432万円であるため、この水準にすら届きません。50万円以上も下回ります。
東京ですらこの惨状であるため、それ以外の地域ならもうお分かりのはずです。

特に最低賃金の低い鹿児島県の場合、これだけ頑張って働いても年収300万円に届きません。

額面が高くても、長時間労働では単価が低すぎる

竜桜
竜桜

手取り23万円だとしても、残業120時間では決して楽な生活とはいえません。

時間を捧げて働くのがサラリーマンであるわけですが、その時間を増やしてもまともに賃金が上がらないのであれば低賃金の奴隷として働いているも同然です。

何より怖いのは、日本人は足を引っ張りたがります。したがって、労働者階級同士で潰し合う現象が発生します。手取り23万円で贅沢だと言い出し、上を目指そうとせず思考停止しているのです。

計算: 手取り23万円で300時間労働では最低賃金を割っている?

竜桜
竜桜

ここまで酷いと最低賃金すら貰えていなさそうですが…

ひとまず計算してみましょう。

まず、手取りが23万円という点から額面は概ね28万円程度であるとします。
計算の根拠は省きますが、月300時間の労働の場合、所定外労働による割増率を加味すると347時間分の賃金を支払わなければなりません。

したがって、この労働者の時給は概ね800円程度となります。

竜桜
竜桜

最低賃金には地域格差があるので一概には言えないのですが、都市部であれば余裕でアウトです。
特に東京都や神奈川県であれば、最低賃金を約2割も下回っていることになります。

地域格差があるのもそれはそれですごいですが、時給800円程度となると多くの都道府県で最低賃金を割り込みます。
いくら給料が高く見えても、長時間労働であれば使いつぶされているも同然なのです。

竜桜
竜桜

いっぱい稼いで後で楽をしよう……そうなる前に過労死してしまうかも。

労働の時間単価について、改めて考えるときかもしれません。

もっとも、長時間労働自体が生命を脅かす危険性があることを考えると糾弾すべきことではありますが。

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経済
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